ZENKOKUREN JOURNAL

全国連ニュース

活動の現場から、
水と暮らしの今を伝える。

全国連ニュースNo.230

石けんを伝える行動と、水環境を守る要請。

定期総会のご案内、水天宮での「戌の日行動」、関係省庁への要請、東日本連絡会の総会と講演会についてお伝えします。

01

GENERAL MEETING

全国連絡会の定期総会を10月3日に開催

PFAS問題と有害化学物質削減、水環境保全などの方針協議

日時
2026年10月3日 9時から
会場
東京・全水道会館
参加
会場参加・オンライン参加
総会後
ドキュメンタリー映画「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」上映

「きれいな水といのちを守る全国連絡会」は、10月3日9時から、東京・全水道会館で第37回総会を開催し、新年度の取り組みや予算などを確認します。会場参加のほか、オンライン参加もできます。

方針では「化学物質の排出・移動量届出制度(PRTR)」の指定物質の見直し時期が近づいていることから、指定物質に石けん成分を入れさせない運動や、全国に拡がる有機フッ素化合物(PFAS)汚染、香害、化学物質過敏症など、有害化学物質の問題が多様化し、深刻になっていることから、より一層の取り組み強化を確認します。

また、若年層をはじめ全国連の運動を知らない人たちへの積極的な働きかけが必要なことから、ホームページに石けんメーカーの情報サイトを立ち上げるなど、情報発信についても意見を求めることにしています。

総会後、ドキュメンタリー映画「ウナイ 透明な闇 PFAS汚染に立ち向かう」を上映します(106分)。これは沖縄の水道水にPFASが混入していたことを機に、世界各地で汚染問題と闘う女性たち(ウナイ)を追った映画です。上映後、監督の平良いずみさんのビデオメッセージもあります。

総会・上映会の案内は別途送られますので、ご確認ください。なお、隔年で開催してきた全国集会は、2026年は開催されません。

02

SOAP OUTREACH

「戌の日行動」を水天宮で今年も実施

街頭から石けんの大切さを伝える

水天宮を訪れた方へ石けんの試供品とリーフレットを手渡す様子
参拝に訪れた方へ石けんの試供品とリーフレットを配布
水天宮前に集まった戌の日行動の参加者
戌の日行動の参加者
参拝の列に並ぶ方へ石けんを手渡す様子
参拝者へ石けんの利用を呼びかけました

5月24日、きれいな水といのちを守る全国連絡会は、2026年も「戌の日行動」を実施しました。配布場所は、安産祈願の名所である東京の水天宮。妊娠5カ月目の最初の戌の日に腹帯を巻いて安産を祈るという風習にちなんで、参拝に訪れた多くの方に石けんの試供品と全国連のリーフレットを配布し、石けん利用の大切さを伝えました。

当日は、境内への入場に規制がかかるほどのにぎわいの中、参拝の列に並ぶ方々に石けんを手渡しながら、「肌にも環境にもやさしい石けんをぜひ使ってみてください」と声をかけると、「ありがとうございます」「使ってみようかな」と、たくさんの温かい反応をいただきました。

短い時間でしたが、石けんを使っていない方、使ったことのない方とも直接ふれあい、対話ができた貴重な機会となりました。

活動終了後には、参加した全国連の事務局や会員から「こうした街頭での活動をもっと広げていきたい」という声も上がり、行動することの手応えと意義を実感できた機会となりました。

03

POLICY REQUEST

関係省庁への要請を実施

PRTRや香害、水道事業などで意見交換

会議室で関係省庁へ要請書を手渡し、意見交換する様子
関係省庁への要請・意見交換の様子

全国連は7月3日、衆議院議員会館で厚生労働省、国土交通省、環境省、経済産業省、消費者庁に対し、要請書を提出するとともに、意見交換を行いました。

01

厚生労働省

被害者を置き去りに「言い逃れ」

厚生労働省への要請は、①有害化学物質の削減と使用の規制、②有機フッ素化合物の健康影響調査、③香害問題対策でした。

毎回、有害化学物質に対し、実態の把握と人体への影響について調査研究を求めてきましたが、厚労省は「厚生労働科学難治性疾患政策研究事業」において2017年から「化学物質過敏症」にかかる研究を継続して行っているとの回答しかありませんでした。

この研究は2027年で10年になります。病態の解明に何年かかっているのでしょうか。報告書を毎年公表しているとのことですが、被害に苦しむ患者・被害者を置き去りにしていると言わざるを得ません。

香害問題については、啓発ポスターを近所の皮膚科クリニックで見かけましたが、まだまだ拡がってはいません。厚労省は配布しているとは言っても、掲示されなければ意味がありません。特に保育園や幼稚園、学校現場等で子どもたちが被害にあっています。学校教育の現場での対応が迫られていると求めました。

化学物質過敏症の契機が香料かどうかについて「100%の解明にはなっていない」からと言って、私たちはそれまで待ってはいられません。被害が拡がっている中で「診断基準・治療法も確立していないため、引き続き研究を行っています」と回答する政府・厚生労働省に対し、対応を求めました。

最後に、「水俣病から70年の2026年、被害をいつまでも放置すれば水俣病の教訓を生かすことができない。真剣にこれらの問題に取り組んでいただきたい」と要求しました。

02

国土交通省

地域の実情に応じた支援が必要

国土交通省との要請では、まず2026年4月から水道水質基準に加わった有機フッ素化合物のPFOS・PFOAへの対応を求める声が挙がりました。

今回の基準化により、検査の実施と基準の遵守が新たに求められることになりました。国交省の担当者からは、水道事業者への基準遵守の検査・指導を徹底しており、現時点で健康被害のおそれがある報告は受けていないと説明がありました。また、水質基準は環境省所管であり、化学物質排出・移動量届出制度(PRTR)のデータ等を反映して設定されているとし、引き続き環境省と連携して対応するとの回答がありました。

水道・下水道の持続可能な運営をめぐっては、広域連携やデジタル技術(DX)導入、官民連携・ウォーターPPPが施策の柱とされました。

これに対し、要請参加者からは人材確保の重要性が強く指摘されました。広域連携やDXは人手不足の解決が目的でも、最終的に事業を支えるのは「人」であり、人員の確保が鍵になるとの意見が出ました。

国交省は、現場で働く人に着目した広報や見学会など魅力発信に取り組むほか、DX導入に伴う積算基準整備の遅れを踏まえ、発注金額や労務単価の適正化による処遇改善も検討していると回答しました。全国連からは、広報はもちろん重要ですが、賃金水準や労働条件の改善なども併せて進めるべきとの意見も出されました。

官民連携や広域化についても意見が交わされました。全国連からは、地域住民の間に民営化への懸念が広がっているとして、地域の実情を踏まえた丁寧な説明と住民との対話を重視するよう求めました。これに対し国交省は、そのような声を受け止め、地域の実情に応じた検討を進めていきたいとの考えを示しました。

このほか、半導体工場建設に伴う地下水問題、香害に関する周知強化、浄化槽への合成洗剤の影響についても意見が交わされ、関係省庁と連携して対応していくとしました。全国連は、水道・下水道事業を支える人材確保に向け、現場の声を施策へ反映するよう改めて求めました。

03

経済産業省

洗剤などにもGHS絵表示を要望

香害については、香料成分等の情報提供、使用上の注意喚起、関係省庁と連携した対策等を要望しました。しかし、健康に与えるメカニズムの未解明を理由に、経済産業省だけでは判断できないとの見解でした。香料素材の安全な使用を保証するための国際的な自主規制基準を参考にしており、また啓発ポスターは洗剤・香料・化粧品・家電・小売り・スーパーマーケットの各業界に配布し、情報共有を行っていると回答がありました。

マイクロカプセルを使用した柔軟仕上げ剤の香りが人体に与える影響については、他省庁と連携をとりながら情報交換を行っているということでした。香りに関する注意喚起は国民生活センターからも総揮発性有機化合物の基準値や臭気強度について消費者への情報提供の要望が出ていますが、全国連は使用量を守れば健康に影響がないという考えには納得できないと伝えました。

福島原発のALPS処理汚染水の海洋放出は2023年8月から2026年6月まで通算20回行われています。全国連は、土地を覆う、地下水をくみ上げる、壁を作って留めるなど、汚染された地下水が増えないようにすることや、海洋放出以外の対策も要望しました。経済産業省は「海洋放出は国際安全基準に合致し、人及び環境に対する放射線影響は無視できるほどである」という考えのもと、代替案はないという立場を示しました。

一般消費者向けの商品にもGHS(絵表示)を要望しました。表示があれば、危険を認識して使用の判断ができます。塗料や接着剤等には表示されている物もありますが、洗剤などもっと多くの商品に表示されることが必要です。中国や韓国では法令で義務化しています。日本でも実施されるよう、強く要望していきます。

04

環境省

PRTRに石けんを含めないよう求める

PRTRの見直し時期が近づいているため、指定成分に石けん成分を含めないようにとの要望に対して、科学的知見に基づき、専門家の意見を参考に対処するとの回答がありました。

全国連からは、水生生物への影響評価に関するミジンコの実験の際は、蒸留水を使うのではなく、ミジンコが実際に住んでいる環境での実験をするようにと要求しました。PRTR改定の検討状況は具体的に言えないとのことでしたので、今後も石けん成分を含めないよう注視する必要があります。

「PRTRデータを読み解く市民ガイドブック」のPollutantを「環境汚染物質」に変更することについては、規制の対象物質は化学物質全般と捉えており、「化学物質」とするのが適切とのことでした。全国連の意見との隔たりは大きい内容ですが、今後も訴え続けていきます。

プラスチック汚染については、香害の原因になっている柔軟剤などの香料を封じ込めるマイクロカプセルや破片の実態調査の結果について、海洋への流出総量のうち洗剤や柔軟剤等に使用されているポリマーの流出量は1%未満(0.5トン未満~5トン/年)と推計されるとのことでした。

香害ポスターの普及啓発については、2026年から子ども家庭庁と国土交通省を加え7省庁の連名にしたとのことでした。ポスターの表現内容について、香害に苦しむ人の立場から意見を述べました。

2026年4月から水道水のPFOS・PFOAの水質基準が50ng/Lに設定されたことに加え、国際的な動向や検出状況を踏まえ、8物質のPFASについて「要検討項目」に設定したとのことでした。厚労省との交渉で、PFAS類の血液検査を含む健康影響調査は環境省の管轄との回答でしたので、今後は血液調査についても追及していきます。

懸念していた陰イオン界面活性剤は、水質基準項目として残りました。ただ、水道水の泡立ちのためとの理由には納得できません。陽イオン界面活性剤は陰イオンや非イオン界面活性剤より毒性も高いとされていますが、必要に応じて検討するとのことでした。

05

消費者庁

消費者の立場に立った施策を強く要請

冒頭に、香害の被害にあった中学生が描いたポスター「被害にあっている白熊の絵」を見てもらいました。

香害防止ポスターについては「各省庁のウェブサイトで周知を図っている」との回答でした。全国連からは「『困っている人もいます』の『も』を『が』にすることと、『使用量を守って使用』という文言を削除すること」を要望しましたが、回答はありませんでした。ただし、ダウンロードだけではなく、印刷して配布することを求め、近日中に実施すると回答がありました。

柔軟剤は、合成洗剤での洗濯で衣類がごわごわになるので柔らかくするためと、静電気防止の効果も期待して使われています。しかし表示の義務のない柔軟剤は消費者がその品質を識別できず困っています。家庭用品品質表示法の指定品目にして内容を表示してほしいという要望を出しました。

しかし「柔軟剤が家庭用品品質表示法の第二条第一項の家庭用品に該当しないので指定できない」とのことでした。柔軟剤は60年前にこの法律ができた直後に生まれた製品です。最近の状況にそぐわなくなっている点を指摘し、法律自体を見直す時期に来ていると伝えました。

化学製品の絵表示マークについて、国連の勧告に基づき、業務用だけでなく、すべての家庭用品にマークを付けるよう要望しましたが、「消費者庁の所管法令の趣旨に照らして必要性がない。消費者庁から他省庁に働きかけることはできない」との回答でした。

このマークは製品の特性が世界中の誰にでも分かるように作られたものです。全国連は、日本で暮らす外国人が増える中、誰にも分かりやすい内容を知らせることも消費者庁の役割だと伝えました。

消費者ホットライン「188」の充実を求めたのに対し、地方公共団体が「188」や消費生活センターの周知啓発を行う取り組みの支援等を実施しているなどの回答を得ました。

04

EAST JAPAN MEETING

東日本連絡会が総会と講演会

暮らしに潜むPFAS汚染の実態と影響

きれいな水といのちを守る東日本連絡会は7月4日、渋谷区立商工会館で第48回総会と講演会を開催しました。午前中は総会を行い、全国連絡会の金子茂樹事務局長の来賓あいさつを受けた後、昨年度の活動と会計報告、新年度の活動方針と予算案、会の代表交代、運営委員の選出などが承認されました。

午後は講演会として「聞いてみよう!PFASのこと~家のホコリにもPFASが~」と題し、講師に農民連食品分析センター所長の八田純人さんをお招きして、暮らしに潜むPFAS汚染についてお話を伺いました。

PFASの基本的な性質や、それが広くさまざまな製品に使われていること、人間や環境に及ぼす影響などを、データをもとにお話しいただきました。

「水」のPFAS汚染はこの問題の氷山の一角であって、食品や下水汚泥、ハウスダストからも検出され、産業廃棄物処分場が新たな排出源となる可能性を指摘されました。

見せかけの豊かさで便利に使っている物が、環境にどう影響しているか。私たちが安直に化学物質を利用するなら、それはいつまでも続いてしまいます。市民が行動を変えることが社会を変えていくことになるという、強いメッセージをいただきました。

その後、ヘチマを主役にプラスチックを出さない暮らしを広げる活動をSNS主体に実践している「ヘチマ部」のヘチマ部ちょ~こ、いわのなつみさんに、活動のきっかけやヘチマの魅力、実践の数々などを語っていただきました。

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