合成洗剤の危険性
朝、起きて歯をみがくことから、1日の生活の中に「合成洗剤」とのつきあいが始まっていませんか。
台所仕事、洗濯、掃除…と、私たちのくらしに深く入りこんだ合成洗剤は、人体被害、環境汚染など、さまざまな害をもたらしているのです。
合成洗剤が人体に与える影響
合成洗剤を誤飲して死亡。
シャンプーやシャボン玉で失明……。
合成洗剤が人体にもたらす危険性は、これらの急性毒性だけではありません。
合成洗剤を毎日使っていると、人体にさまざまな影響をおよぼすのです。
人体に侵入する合成洗剤
強い浸透力をもつ合成洗剤は、ハミガキ、汚染された魚介類、合成洗剤で洗った食器などあげられ、飲み水など口から体内に入るだけでなく、洗濯や台所仕事、シャンプー等により、皮膚からも吸収されます。
皮膚から侵入した合成洗剤は血液に入り、肝臓、ひ臓、肺、脳などに蓄積され、ほとんど排泄されません。
とくに、傷口や粘膜からの吸収は、普通の皮膚からの吸収の13倍にもなるといわれます。
合成洗剤による人体被害
主婦湿疹・おむつかぶれ
合成洗剤が普及しはじめた頃から、主婦の手あれ、肌あれがめだちはじめました。 (1960年代)
お医者さんでも治せなかった手あれやおむつかぶれが、合成洗剤をやめて石けんにかえただけで、すっかりよくなったという例もあります。
体中に出来た湿疹
肝臓・血液障害
血液中に入った合成洗剤は、血球をこわし貧血の原因になります。
さらに、肝臓に移行し肝細胞を破壊し、蓄積され、肝臓障害をおこします。
スモン病
動物実験で、キノホルムに洗剤を加えると、スモン病が著しく増加することが明らかにされています。 食器に残留する合成洗剤と食品に含まれる保存料、甘味料などの添加物との相乗作用も大変危険です。
催奇形性
妊娠しているマウスにABSを与えると、奇形仔が生まれることが明らかにされています。
7.09mgのABSをとり入れていると胎児障害を受けるといわれています。
妊娠したマウスに(1)はママレモン、(2)はワンダフルKをぬり、胎仔への影響を三重大学の三上学長(当時)が実験されたものです。 (3)は正常な胎仔です。
精子におよぼす害
合成洗剤は、人間の精子を破壊する作用があり、その性質を利用したフィルム状の避妊薬は、女性に悪影響をもたらします。
このほか合成洗剤には強い溶血作用があり、川崎病の原因ともいわれています。
また、敗血症をおこす緑濃菌は、合成洗剤を栄養として異常増殖するともいわれます。
とけてしまった精子!?
(1)は正常な精子。 (2)は7日間、背中に0.25mlのABSをぬったマウスの精子。
(1)正常な精子
(2)7日間、背中に0.25mlのABSをぬったマウスの精子。
合成洗剤の成分
合成洗剤の主成分は合成界面活性剤ですが、洗浄力を高めるためにいろいろな助剤が加えられています。
ABS(アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ)
主成分、有害物質。 LAS(ソフト型)。 高級アルコール系も同様。
ゼオライト
白土ともいい、リンの代替として入れる。 水に溶けないので、沈殿して排水管を詰まらせる。 安全性も確認されていない。
蛍光増白剤
白くみせるための染料。 「発ガン物質の疑い」。
芒硝
増量剤(商品を大きく見せる)。 乾燥剤の役割。環境を汚す。
また、私たちの運動で、一般用の合成洗剤は無リン化が進められましたが、その後問題が多い陰イオン系のLASからアルコール系、そして非イオン系の合成界面活性剤が急増しています。
合成洗剤が環境に与える影響
環境への影響
河川・湖沼・地下水そして海を汚す合成洗剤
石けんよりはるかに悪い分解性。
他の有害物質との相乗作用の心配。
水生生物への毒性が強い合成洗剤。
魚は合成洗剤が大嫌い-
忌避濃度は致死濃度の1/100。
富栄養化の原因に-
最近また目立つ窒素、りん入りの合成洗剤。
水道・下水道への影響
合成洗剤の処理はできない浄水場-活性炭注入で高価な水!
有機性の汚れを処理する下水処理場-
活性汚泥(微生物のかたまり)を苦しめる有害物質はNO!
急増する非イオン系合成洗剤-強い毒性と難分解性。
非イオン系合成洗剤による環境ホルモン=ノニルフェノール。
水源を汚染するノニルフェノール。